林忠彦賞

 

 

第14回 2005年 中條均紀/写真集「古志の里Ⅱ」より
 
中條均紀/写真集「古志の里Ⅱ」より
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中條均紀/写真集「古志の里Ⅱ」より


 2004年10月23日午後5時56分、新潟県中越地震で壊滅的な被害を受けた山古志村(当時)は、全村避難を余儀なくされた。作者はその山古志にひかれ山古志村とその周辺の風景や風俗を1987年から取材し、1999年写真集「古志の里」に続き、2004年写真集「古志の里II」を発表した。
 山古志は、ただ風光明媚な土地というだけではなく、山を開墾して作られた棚田や棚池。国指定重要無形文化財、牛の角突き。世界的に有名な錦鯉の生産地などで知られる小さいながらも活気あふれる村であった。
 作者は、自然とそこに生きる人々の暮らしのなかに都会人が忘れた故郷への思いや、自然のありがたさを詩情豊かにえがいている。同県人の仕事だけに精神的にも深く入り込み、愛情あふれる視線が多くの感動をよんだ。また、現在では震災前の山古志の繁栄を知る唯一の記録として、復活を信じる山古志村民の精神の支えにもなっている。

 

作者プロフィール
中條均紀(なかじょう・まさのり)

中條均紀ホームページ>>作者公式ホームページ


1952年(昭和27)新潟県生まれ。東京農業大学卒業。'86年(昭和61)写真活動を開始。'87年から山古志村とその周辺の風景や風俗を取材し、'99(平成11)年写真集「古志の里」、2004(平成16)年「古志の里Ⅱ」を発表。これは同年10月23日に起きた新潟県中越地震で壊滅的な被害を受けた山古志村の、震災前の姿を記録する貴重な記録となった。


  • 青木竹二郎「兄弟」
  • 石澤修次 「東京ジェネレーション」
  • 幸田光子 「異形空間」
  • 寒川真由美「じいちゃんの田んぼ」
  • 鈴木サトシ「生きることのはざまで」
  • 高橋淳子 「東京近郊農家」
  • 長岡 徹 「浅間山『千変万化』1973-2003」
  • 中條均紀 「古志の里Ⅱ」
  • 梁 丞佑 「新宿」
  • 若松布美子「少年少女~韓国編~」
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