日々の暮らしを写真を撮るという行為をもって眺めると、日常の光景はまた違ったかたちで見えてくる。それは、その時、その場所毎に感情や心のあり方が問われているといってもよいのではないだろうか。 作者は、自らの生活圏である愛知県一宮市周辺を中心に、1999年の夏から、その時々に感じた心象──たとえば被写体から直感したもの、自らの心境を投影したものなど──をスナップし、昨夏、写真展として発表した。 作者の内面世界にせまる視点と、それをモノクロームに定着させる高い印画技術は、オリジナリティー溢れる独特の気配を創り出している。 |