静岡県藤枝市に住む作者が、そこから一番近い静岡県相良町から長野県塩尻市まで260キロにおよぶかつての塩の道、秋葉街道を3年の歳月をかけて取材し、まとめあげた写真集。 秋葉街道は、火伏せの神、秋葉信仰の道として、今日でも秘境と呼ばれる地域もあり、伝統芸能や伝承行事が数多く残っているところである。近年、開発の影響や風化により変貌しつつある歴史的な道とその周辺の人々の暮しを記録することこそ、先人たちの文化を守り、後世に伝える一助になると作者は確信し、伝説や芸能、歴史を掘り起こしつつ撮影を続けた。
竹林喜由(たけばやし・きよし)
1943年(昭和18)愛知県生まれ。静岡市立商業高校卒業。'72年(昭和47)から写真を本格的に始め、翌年写真集団「影法師」に入会。月例コンテストなど多数入賞し、頭角をあらわす。現在日本写真連盟藤枝支部支部長。写団「藤枝」主宰。全日本写真連盟関東本部委員。