経済大国と言われる一方で、親子・家族関係の断絶や崩壊が問題となっている日本。作者はそうした視点からタクラマカン砂漠の片隅にあるカシュガルの町の子供たちを13年にわたり見つめ続けた。鍛冶屋、ブリキ屋、八百屋・・・、貧しいけれど生き生きと誇りを持って親の仕事を手伝い、健気に働く子供たちの姿に作者は共感し、ヒューマニズム溢れるカメラアイを向けた。モノクロプリントで表現された働く子供たちの輝く眼が、親子や家族の本来在るべき姿を問いかけてくる。